遊戯王構築記録 ~握手で勝負を決めろ!友情爆破!!~
こんばんはー。扶桑です。
KOTR(1ヶ月後)とピカげん大会(1週間後)の練習に疲れてきたので、気分転換に遊戯王のデッキの記事を書くことにしました。
ブログの方向性がわからない?まあそういうことがあってもいいよね…
今回は古くから存在し、唯一無二の効果を持つのに全然使われないあるカードについて考えたい。
そのカードとは、
《友情 YU-JYO》である。相手プレイヤーに握手を申し込み、握手するというTCG界でも例を見ない効果を持っている。
このカードの活用方法といえば、
- 誰とでも友情が芽生える、友情の大切さを再確認させてくれる(ニコニコ大百科)
- 握手したい相手と(「結束 UNITY」も使って強制的に)握手する
- 相手の手を握り潰す(【遊戯王】下位・クズカードの強引な評価@ ウィキ)
といった方法が挙げられている。
だが、握手をするという面にだけ注目とある問題が浮かび上がってくる。
そもそも、遊戯王には「デュエルを始める前には、お互いに握手をしてあいさつを交わす」(「遊戯王オフィシャルカードゲームパーフェクトルールブック2020」p.193より)というルールがあるのだ。
相手の手を握りつぶしてジャッジキルを狙うリアリストなら、このタイミングで相手の手を握りつぶせば良い。
また、ジャッジや警察が呼ばれることを回避するために、相手の手を握り潰す際には周りに不審な様子を悟られてはいけない。
こうなると、暗殺拳の使い手でもなければこの方法による勝利は困難だろう。加えて最近はソーシャル・ディスタンスの徹底が求められているので、デュエル開始時の握手を省略でき、たとえ《友情 YU-JYO》を使ったとしても握手に応じる意思を示して効果処理がなされる可能性が高いというのも逆風である。別の道を考える必要がある。
ならば、効果に注目しよう。《友情 YU-JYO》は、握手に成功するとお互いのライフポイントが平均化される。
つまり、相手がLP11000で自分LPが1000のときに《友情 YU-JYO》が通ると、自分LPが6000、相手LPが6000になる。
このとき、あるカードが頭に浮かんだ。
禁止カードに指定されている《ライフチェンジャー》である。
《ライフチェンジャー》がライフポイントを3000に固定するのに対し、《友情 YU-JYO》は自身と相手のライフポイントの合計を2で割った値になるため若干安定しない。
しかし、《ライフチェンジャー》と違って自分のライフポイントを3000より回復できる可能性があり、さらに通常魔法のために自分のターンで即発動できたりライフポイント差が8000なくても発動できたりというメリットもある。
というわけで、《ライフチェンジャー》を使っていたデッキに《友情 YU-JYO》(と《結束 UNITY》)を入れるのは合理的判断である。
(過去に【握手暗黒界】で使われた実績もあるしね)
「ライフチェンジャー」を活用するデッキといえばやはり【マジック・エクスプロージョン1キル】である。
このギミックを使えば、《友情 YU-JYO》でデュエルの勝利につながるアドバンテージを得られる。
しかし、「マジック・エクスプロージョン」は禁止カードである。これでは【マジック・エクスプロージョン1キル】を組むことはできない。
だが、長い遊戯王の歴史には《マジック・エクスプロージョン》の代わりにできそうなカードがある。
そう、《残骸爆破》だ。
《残骸爆破》は発動条件は厄介だが自身のデッキ構築時点でこの問題は解決でき、通れば相手ライフに3000ポイントのダメージを一枚で与えられる優秀な火力になる。
しかし、《ライフチェンジャー》なら《残骸爆破》1枚で決まるが、《友情 YU-JYO》からの《残骸爆破》で決着をつけるには、お互いのライフポイント合計が6000以下である必要がある。
最初のターンでお互いのライフポイントを初期から合計で10000削るのは、自分のライフポイント調整だけでは不可能である。
だが、この問題を解決する手段は簡単だ。1枚で足りないなら2枚入れればいい。
これなら、お互いのライフポイントを初期から4000減らすだけで十分である。《成金ゴブリン》を3枚使うにしろ、《チキンレース》を3回、《擬似空間》でコピーしてさらに2回、《ドン・サウザンドの契約》を1回発動するだけで足りる。
こうして《友情 YU-JYO》と《残骸爆破》を組み合わせた1キルデッキが現実味を帯びてきた。
というわけでこれが完成したデッキ、「友情爆破」だ!
『友情爆破』
デッキ紹介・採用カード
メインデッキ
モンスター:4枚
《閃刀姫ーレイ》:3枚
このデッキにおいては「闇の誘惑」で除外される以外に基本的に仕事はない。だが、「閃刀起動ーエンゲージ」の発動回数を増やすためにも3枚投入しておく。
《トーチ・ゴーレム》:1枚
1枚から4体素材の《鎖龍蛇-スカルデット》をリンク召喚できる有能な制限カード。
こいつのために通常召喚が犠牲になった。
一応手順を示すと、
- 「トーチ・トークン」を自分フィールドに特殊召喚して《トーチ・ゴーレム》をエクストラモンスターゾーンの前に特殊召喚
- 「トーチ・トークン」を素材に《リンクリボー》と《リンク・スパイダー》をリンク召喚
- 《リンクリボー》と《リンク・スパイダー》を素材に《アカシック・マジシャン》をリンク召喚、効果で《トーチ・ゴーレム》を手札に戻す
- 《トーチ・ゴーレム》を特殊召喚、「トーチ・トークン」2体で《アカシック・マジシャン》のリンク先に《セキュリティ・ドラゴン》をリンク召喚
- 《セキュリティ・ドラゴン》の効果で《トーチ・ゴーレム》を手札に戻す
- 《トーチ・ゴーレム》を特殊召喚
- 墓地の《リンクリボー》の効果を発動、「トーチ・トークン」をリリースし、墓地から《リンクリボー》を特殊召喚
- 《アカシック・マジシャン》、《セキュリティ・ドラゴン》、《リンクリボー》、「トーチ・トークン」を素材に《鎖龍蛇-スカルデット》をリンク召喚
最後に残った《トーチ・ゴーレム》については、相手に利用されるタイミングがないはずなので放っておこう。
魔法:34枚
《友情 YU-JYO》、《結束 UNITY》:各1枚
このデッキのキーカード。相手のライフポイントを6000以下にする重大な使命を帯びている。
普通に《友情 YU-JYO》を使っても間違いなく握手拒否されるので、《結束 UNITY》を手札に握ってから最後に発動すること。
《閃刀起動-エンゲージ》:2枚、《閃刀機-ホーネットビット》:1枚
「閃刀」魔法カード2種。前者は準制限、後者は制限カード。
《閃刀起動ーエンゲージ》はこの手のドローを必要とするデッキにはぜひとも採用したいカードである。墓地に魔法カードが3枚以上あれば、「閃刀」カードをデッキから手札に加えて1枚ドローと、手札を単純に増やすことができる。
《閃刀起動ーエンゲージ》→《閃刀機ーホーネットビット》→《閃刀姫ーカガリ》、効果で《閃刀起動ーエンゲージ》を回収は基本にして強力なコンボである。
2回目以降の《閃刀起動-エンゲージ》は《閃刀姫-レイ》をデッキから手札に加え、《闇の誘惑》のコストを調達する。
《テラ・フォーミング》:1枚、《チキンレース》:3枚、《擬似空間》:2枚
ドローソースとなるフィールド魔法とそのサーチカード。
お互いのライフポイントの合計値を減らすためにも積極的に使っていきたい。
《妖刀竹光》、《黄金色の竹光》:各3枚
「竹光」ターボギミック。《黄金色の竹光》を連打できればどんどん手札を増やせる。
《妖刀竹光》が手札でだぶついたときは、リンク素材にするモンスターに装備させてからリンク素材にして《妖刀竹光》の効果を発動させて《黄金色の竹光》をデッキから手札に加える。
《ワンダー・ワンド》:1枚
《暴走召喚師アレイスター》を2ドローに変換するカード。
《トーチ・ゴーレム》の項目で紹介した方法で《鎖龍蛇-スカルデット》をリンク召喚したあと、《鎖龍蛇-スカルデット》の効果で《閃刀姫-レイ》を特殊召喚、その2体でリンク召喚することで《暴走召喚師アレイスター》を出せる。
《アームズ・ホール》:2枚
安定材料にして唯一対策不能な事故を起こすカード。
《妖刀竹光》か《アームズ・ホール》を持ってくるが、ここで《結束 UNITY》が墓地に落ちると詰む。また、《友情 YU-JYO》、《残骸爆破》計3枚のうち2枚が墓地に落ちても詰む。
こればかりはどうしようもないので、運に頼ろう。
《無の煉獄》、《成金ゴブリン》、《墓穴の道連れ》、《EMポップアップ》、《ドン・サウザンドの契約》、《暗黒界の取引》、《手札断殺》、《闇の誘惑》
各種ドローソース。
《EMポップアップ》と《ドン・サウザンドの契約》はライフポイントの調整を兼ね、《墓穴の道連れ》は相手の手札誘発を潰すチャンスになる。
ただ、《墓穴の道連れ》は手札で抱えなければいけない《結束 UNITY》を落とされる可能性が高く若干使いにくいため、《暗黒界の取引》に入れ替えてもいいだろう。
罠:2枚
《残骸爆破》:2枚
このデッキのキーカードにして切り札。
3枚積むとデッキを掘りきれない恐れがあるので2枚のみ。
エクストラデッキ:15枚
《リンクリボー》、《リンク・スパイダー》、《アカシック・マジシャン》、《セキュリティ・ドラゴン》、《鎖龍蛇-スカルデット》
4体素材の《鎖龍蛇-スカルデット》で手札の質を上げるためのコンボパーツ一式。
詳細は《トーチ・ゴーレム》の項目を参照。
《暴走召喚師アレイスター》
《ワンダー・ワンド》の弾。
《トロイメア・ユニコーン》、《トロイメア・フェニックス》、《トロイメア・ケルベロス》、《トロイメア・グリフォン》
トロイメアモンスターたち。
実際使うのは《トロイメア・ケルベロス》と《トロイメア・グリフォン》だけだろう。
《トロイメア・ケルベロス》は残った《トーチ・ゴーレム》を破壊して1ドローでき、《トロイメア・グリフォン》は《アームズ・ホール》で落ちてしまった魔法・罠カードをセットしてリカバリーできる。リカバリするときはまず負けているが
《閃刀姫-カガリ》、《閃刀姫-ハヤテ》、《閃刀姫-シズク》、《閃刀姫-ジーク》
閃刀姫モンスターたち。
実際使うのは《閃刀姫-カガリ》のみ。
墓地から《閃刀起動-エンゲージ》を回収してドローにつなげられる。
《閃刀姫-ハヤテ》はリンクマーカーが自分のモンスターゾーンを向いているため採用。
リンク2を作る必要性が出てきたときに役に立つ。
また、リンク1「閃刀姫」は他の種類の「閃刀姫」モンスターに《妖刀竹光》を装備させて《妖刀竹光》を能動的に落とす手段になる。
デッキを使う際の注意
ドローソースを連打してデッキを引き切り、《友情 YU-JYO》で握手して相手のライフポイントを6000以下にして《残骸爆破》を2枚セット、相手ターンで即《残骸爆破》を2枚発動して相手を倒すだけと、プレイングが容易かつ妨害がなければ悪くない精度で1キルが成立するこのデッキだが、大きな問題点がある。
それは、こんなデッキを使うと友情が壊れる可能性があることである。このデッキに友情を感じる余地はかなり少ないので、これには注意が必要だろう。
ある意味《友情 YU-JYO》で友情の大切さを学んでいるとも言える
最後に
ここまで無理して【マジカル・エクスプロージョン1キル】もどきを組む必要があるかと言われると微妙だが、《友情 YU-JYO》は輝けたと思う。
やはり、某エンジニアが言っていたように、
「この世に数多あるカードの中に、役に立たないカードなんて一枚もない」。
たとえそのデッキが微妙だったとしても、デッキ構築の貴重な財産となるのだ。